パブロ・ピカソ(Pablo Picasso, 1881-1973)は、スペイン出身の画家・彫刻家であり、20世紀の美術界に大きな影響を与えた人物です。 彼は多くの芸術的スタイルを生み出し、特にキュビスムの創始者として有名です。 以下に、彼の経歴を時代ごとに解説します。
## **1. 幼少期と初期の作品(1881-1900)**
**1881年**:スペインのマラガに生まれる。 父は美術教師で、幼い頃から絵画の才能を発揮。
**1895年**:バルセロナの美術学校に入学し、クラシックな絵画技法を学ぶ。 **1897年**:マドリードの王立サン・フェルナンド美術アカデミーに進学するが、授業に飽きてすぐに退学。
## **2. 青の時代(1901-1904)**
**1901年**:親友カルロス・カサヘマスの自殺に衝撃を受け、憂鬱な青色を基調とした作品を描くようになる。 **代表作**:「悲しき老人」「青い裸婦」「盲人の食事」 ##
**3. バラ色の時代(1904-1906)**
**1904年**:パリに定住し、明るい色調の作品を描き始める。 サーカスの人々を題材にした作品が多い。
**代表作**:「サルタンバンク」「曲芸師の家族」 ##
**4. キュビスムの誕生(1907-1917)**
**1907年**:「アヴィニョンの娘たち」を発表し、従来の遠近法を否定した革新的な絵画を描く。 **ジョルジュ・ブラックと共にキュビスムを創始し、物体を幾何学的に分解・再構成するスタイルを確立。 **
**代表作**:「アヴィニョンの娘たち」「三人の音楽師」 ##
**5. 新古典主義とシュルレアリスムの影響(1917-1936)**
**第一次世界大戦後**、新古典主義的な作風に戻る。 **シュルレアリスムの影響を受け、幻想的な作品も描く。 **
**代表作**:「海辺を走る二人の女」「夢」 ##
**6. スペイン内戦と『ゲルニカ』(1937)**
**1937年**:スペイン内戦でゲルニカ爆撃が起こり、ピカソは抗議のために巨大な壁画「ゲルニカ」を制作。 **「ゲルニカ」は戦争の悲惨さを象徴する傑作として評価される。** ##
**7. 晩年と死去(1940-1973)**
**第二次世界大戦後**も精力的に創作を続け、陶芸や彫刻にも取り組む。 **1973年**:フランスのムージャンで死去。 享年91歳。
## **ピカソの影響**
キュビスムの創始により、20世紀美術の発展に大きく貢献。 多様な作風を持ち、生涯で約5万点の作品を制作。
「20世紀最大の芸術家」と称される。 ピカソの作品は現在も世界中の美術館で展示され、近代美術に多大な影響を与え続けています。
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