
藤井システムについて解説してください。 |
**藤井システム**は、将棋の戦術の一つで、特に振り飛車の戦型において、 居飛車の急戦策を封じ込めるための強力な戦法として知られています。 開発者である藤井猛九段の名前に由来しています。 ### **概要** 藤井システムは、**四間飛車**という振り飛車戦法から派生した独自のシステムです。 この戦法の特徴は、振り飛車の飛車位置を起点にしながら、 **玉を早めに右側(美濃囲いから深く玉を囲う形)に移動させる**とともに、 **右銀や右金を前線に繰り出して攻撃と防御を両立**させる点です。 居飛車党が急戦を狙う際に、藤井システムは相手の攻撃力を巧みにかわしつつ、 自らも力戦形に持ち込む柔軟性を持っています。 ### **特徴** 1. **玉を深く囲う** 玉を右側に素早く移動し、美濃囲いや穴熊囲いの形を作ります。 対急戦策として玉を盤面右隅に囲うことで、相手の攻撃から逃れやすくする戦法です。 2. **攻撃の構え** 右銀や右金を前線に繰り出し、相手の攻撃を防ぎつつ、隙をついて攻めを展開します。 振り飛車戦法特有のバランスを維持しつつ、攻守の切り替えがスムーズに行えます。 3. **力戦形に強い** 明確な定跡にとらわれず、状況に応じた柔軟な指し回しが可能です。 特に居飛車党が急戦策に出た際、対応力の高さを発揮します。 ### **藤井システムの狙い** 藤井システムの最大の特徴は、**居飛車党が振り飛車に対して急戦を仕掛けにくくすること**です。 居飛車急戦は、振り飛車党が伝統的に苦手とされてきましたが、 藤井システムはこの問題を大きく解消しました。 特に藤井猛九段が1990年代に数々のタイトル戦でこの戦法を用い、 振り飛車党にとっての一つの完成形ともいえる戦法として確立しました。 ### **実戦での展開例** 1. 初期の陣形で飛車を四間(4筋)に振ります。 2. 玉を右側に移動し、美濃囲い、または深い囲い(右玉形)を構築します。 3. 居飛車が攻撃を仕掛けてきた場合、右銀を前線に出して攻撃を受け止めます。 4. 相手の隙を見て、自らも攻撃を展開します。 ### **利点** 急戦策に強い防御力を持つ。 振り飛車党の持ち味である長期戦に持ち込みやすい。 攻守のバランスが取れており、柔軟な指し回しが可能。 ### **弱点** 終盤での構想力や技術が要求されるため、初心者には扱いが難しい。 序盤での工夫が足りないと、居飛車側のカウンターに弱い場合がある。 藤井システムは、振り飛車戦法の中でも高度な戦術であり、特に居飛車急戦対策として非常に有効な選択肢です。 この戦法を学ぶことで、振り飛車党としての幅を広げることができます。 |
まず藤井システムは対急戦の戦法ではありません。
正確には相手が急戦で来ても、持久戦で来ても、どちらにも対応できる、それをシステマチックな駒組によって可能にした戦法です。
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