Linuxでウェブサーバを立てる際、ウェブサイトのファイルやサーバープログラムは通常、以下の階層に設置することが一般的です。 階層は、FHS(Filesystem Hierarchy Standard)に基づいて選ばれます。
### 1. **ウェブコンテンツ用のディレクトリ**
**`/var/www`**:ウェブコンテンツやウェブアプリケーションのファイル(HTML、CSS、JavaScript、画像、PHPファイルなど)を配置するための標準的なディレクトリです。 `/var`は、システムの可変データ(ログや一時ファイルなど)を保持するために使われるため、ウェブサーバのファイルも含まれることが多いです。
**サブディレクトリ例**
**`/var/www/html`**:多くのLinuxディストリビューションでは、 このディレクトリがデフォルトのドキュメントルートとして設定されています。 ウェブサーバが提供する静的・動的なコンテンツファイルを配置します。
**バーチャルホスト**ごとに `/var/www/site1.com`, `/var/www/site2.com` といった構成を使い、ドメインごとにディレクトリを分けることもあります。
### 2. **ウェブサーバプログラム本体**
**`/usr/sbin`**:ApacheやNginxといったウェブサーバの実行ファイルが配置されるディレクトリです。 このディレクトリにはシステム管理者用の実行ファイルが含まれており、管理者権限での実行を前提とするプログラムがここに置かれます。
### 3. **設定ファイル**
**`/etc`**:システムの設定ファイルが格納されるディレクトリで、各種プログラムの設定がここに入ります。
**`/etc/httpd`(Apacheの場合)または`/etc/nginx`(Nginxの場合)**:ウェブサーバの設定ファイルが配置されるディレクトリ。 各種設定ファイル(例:`httpd.conf`や`nginx.conf`)や、サイトごとの設定ファイル(例:`sites
available`や`sites-enabled`)がここに配置されます。
### 4. **ログファイル**
**`/var/log`**:ウェブサーバのアクセスログやエラーログが保存されるディレクトリ。
**`/var/log/apache2`**(または`/var/log/httpd`):Apacheのログファイルが配置されます。
**`/var/log/nginx`**:Nginxのログファイルがここに保存されます。
### 5. **キャッシュや一時ファイル**
**`/var/cache`**:一時的なキャッシュファイルや、ユーザーのセッション情報を保存するために使われます。
**`/tmp`**:一時ファイルの格納場所として使われるディレクトリ。 セッションデータや、特定のプロセスでのみ必要なファイルが短期間保存されます。
### まとめ
ウェブコンテンツ:`/var/www`
サーバープログラム:`/usr/sbin`
設定ファイル:`/etc`
ログファイル:`/var/log`
キャッシュ・一時ファイル:`/var/cache`や`/tmp`
これらの階層にファイルを適切に配置することで、システム全体が標準化され、管理しやすくなります。
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