質問
消滅してしまった旧約聖書を経典とした宗教にはどのような宗教がありましたか?
|
解答
旧約聖書を経典としながら、歴史の中で消滅・衰退してしまった宗教(または宗派)には、以下のような例があります。ただし、「完全に消滅した」と断定できる宗教は少なく、歴史的には衰退や他宗教への吸収という形が多いです。
1. サマリア人の宗教(サマリア教)概要: 旧約聖書の五書(モーセ五書)だけを正典とし、エルサレム神殿ではなくゲリジム山を聖地としたユダヤ教の分派。 現状: 完全には消滅していませんが、信者はごくわずか(数百人規模)です。実質的に「消滅に近い状態」と言えます。 特徴: サマリア五書という独自のトーラーを持っており、旧約聖書の解釈もユダヤ教ラビ派とは異なります。
2. 第二神殿時代のユダヤ教諸派ユダヤ教は紀元1世紀頃、多数の宗派に分かれており、ローマ帝国の支配やユダヤ戦争(70年)などで多くが消滅しました。 エッセネ派(Essenes)概要: 禁欲的で、共同体生活を重んじたユダヤ教の一派。 旧約との関係: 旧約聖書を重要視し、黙示録的な思想を持っていました。 現在: 紀元1世紀ごろに消滅。死海文書を残したとされます。
サドカイ派(Sadducees)
3. ユダヤ・キリスト教徒(初期のユダヤ的キリスト教徒)概要: 初期のキリスト教徒のうち、ユダヤ教の律法や旧約聖書を重視し続けたグループ。 消滅の過程: キリスト教が異邦人中心の宗教となっていく中で衰退。ユダヤ教からもキリスト教からも異端視され、消滅していきました。 関連名: ナザレ派、エビオン派(Ebionites)など。
補足「旧約聖書」と呼ぶのはキリスト教的な視点であり、ユダヤ教では「タナハ」と呼ばれます。また、イスラム教でも旧約聖書の預言者たちは尊重されていますが、旧約そのものを「経典」として扱っているわけではありません。
まとめ| 名称 | 旧約との関係 | 現在の状態 |
|---|
| サマリア教 | トーラーのみ正典 | ごく少数が存続 | | エッセネ派 | 旧約を重視 | 紀元1世紀に消滅 | | サドカイ派 | トーラー重視 | 紀元1世紀に消滅 | | ユダヤ・キリスト教徒 | 旧約とイエス両方を尊重 | 中世までに消滅 |
他にも、歴史のなかで旧約的伝統を持ちながら消えていった小規模な宗派が存在したと考えられます。資料が乏しいため、多くは推定の域を出ません。 |
 |

| |
【下記、広告です。クリックいただけると励みになります。】