
質問
ブックビルディングとは何ですか? |
解答
**ブックビルディング**(Book Building)とは、企業が新規株式公開(IPO)や増資などで株式を発行する際に、 投資家からの需要に基づいて発行価格を決定するプロセスのことを指します。 この手法は株式の価格を市場の需要と供給に応じて決定するため、 投資家の興味を引き出しやすく、価格が適正に設定されることが期待されています。 ### ブックビルディングの基本的な流れ 1. **発行価格帯の設定** 発行会社と引受会社(証券会社)が協力して、仮の発行価格帯(通常、価格レンジ)を設定します。 この価格帯は、投資家の意見や市場の状況を基に決められます。 2. **投資家からの需要調査** 証券会社が機関投資家や個人投資家から、どの価格で何株購入したいかという「需要」を集めます。 この段階で投資家は、希望する株数と価格を提示します。 これが「ブックビルディング」の名前の由来で、 需要のある株式数を一種の「ブック(帳簿)」に「ビルディング(構築)」していくことに由来します。 3. **発行価格の決定** 需要が集まった後、そのデータを基に最終的な発行価格を決定します。 需要が多い場合は価格が高めに、逆に少ない場合は価格が低めに設定されることがあります。 これにより、適正な価格が市場の力で決定されます。 4. **株式の割り当て** 最終的な価格が決定した後、株式が投資家に配分されます。 需要が多かった場合は、希望株数が全て購入できないこともあります(オーバーアロットメントの状況)。 ### ブックビルディングのメリット - **価格の透明性**: 市場の需要に応じて価格が決まるため、適正な価格が反映されやすい。 - **需要の把握**: 事前に投資家の需要を把握することで、発行会社はどれだけの株式が売れるかを予測できる。 - **リスク分散**: 引受会社にとっても、リスクを軽減しながら効率的に発行をサポートできる。 ### デメリット - **価格の変動**: 需給が予想以上に偏った場合、発行価格が大きく変動することがある。 - **公平性の問題**: 特に機関投資家が有利になることが多く、個人投資家には不利な条件が付けられることもある。 ### まとめ ブックビルディングは、株式の発行価格を市場の需要に基づいて決定する効率的な方法で、 新規株式公開(IPO)や増資時に多く利用されています。 価格の適正化が期待できる一方で、投資家間の公平性に課題が残るケースもあります。 |
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