2025年03月16日

IPv4とIPv6の違い

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質問

IPv4とIPv6の違いを教えてください


解答



IPv4とIPv6は、インターネット上で使われる異なるバージョンのIPアドレスで、それぞれ異なる特徴や目的を持っています。
主な違いはアドレスの構造と、アドレスが使える数にありますが、ほかにも機能やセキュリティ面での違いがあります。


### 1. アドレスの長さと表記

**IPv4**

**長さ**:32ビット(4バイト)

**表記方法**:4つの10進数で表記し、それぞれをドットで区切ります(例:192.168.1.1)。

**アドレス数**:約43億個のアドレスが利用可能です。



**IPv6**

**長さ**:128ビット(16バイト)

**表記方法**:8つの16進数で表記し、それぞれをコロンで区切ります(例:2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334)。

**アドレス数**:約340澗(けた外れに多い)アドレスが利用可能です。



### 2. アドレスの枯渇問題

IPv4は43億個のアドレスがありますが、インターネットの普及に伴い急速にアドレスが不足しました。
IPv6は、より多くのアドレスを確保するために開発されました。
そのため、IPv6は事実上無限に近いアドレスを提供し、アドレスの枯渇問題を解消しています。


### 3. アドレスの構造

**IPv4**:

クラスA〜Eに分かれるクラスベースのアドレス構造が元々存在していましたが、現在はCIDR(Classless Inter Domain Routing)方式が使用されています。



**IPv6**:

アドレス構造が階層化されており、ネットワークアドレスやサブネットアドレス、インターフェース識別子などの階層が設けられています。


### 4. ネットワーク設定と自動設定機能

**IPv4**:

通常、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を使用して、動的にIPアドレスを割り当てます。
手動で設定する場合もあります。


**IPv6**:

DHCPv6もありますが、IPv6には「ステートレス・アドレス自動設定(SLAAC)」という仕組みがあり、ネットワーク内で自動的にIPアドレスを生成できる機能が備わっています。


### 5. セキュリティ機能

**IPv4**:

セキュリティプロトコルであるIPsec(Internet Protocol Security)はオプションとして利用可能です。



**IPv6**:

IPv6ではIPsecが標準機能として組み込まれており、通信の暗号化や認証のセキュリティを強化しています。


### 6. ヘッダの構造と処理効率

**IPv4**:

ヘッダが20バイトと比較的短いですが、オプションフィールドがあり、複雑で処理がやや負担になることがあります。


**IPv6**:

ヘッダが40バイトと長いですが、構造が簡素化されています。
オプションは別の拡張ヘッダとして分離されているため、ルーターでの処理がより効率的です。


### 7. ブロードキャストのサポート

**IPv4**:

ブロードキャスト(ネットワーク内のすべてのデバイスに一斉にメッセージを送信する機能)をサポートしています。


**IPv6**:

ブロードキャストはサポートされていません。
その代わりに「マルチキャスト」や「ユニキャスト」、「エニーキャスト」によって通信を行います。



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posted by モニー at 08:00| Comment(0) | ネットワーク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする